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第1章 甲斐市の特性と課題
(1)甲斐市の特性
甲斐市は、北部の豊かな森林資源や自然景観を有する中山間地域と、南部の住宅地と 農地が混在する平坦な市街化地域という、異なった2つの顔を持っています。北部地域 は昇仙峡などの景勝地を有し、自然条件を利用した果樹栽培やワイン醸造なども行われ ており、一部は秩父多摩甲斐国立公園に指定されています。一方、南部地域は、歴史的 に度重なる釜無川の氾濫とそれを鎮める信玄堤に象徴される人間の知恵と努力が肥沃な 土壌を生み、今でも豊かな農作物を育んでいます。また、地理的、交通環境、良好な景 観などの有利性から住宅地としても発展をしてきました。富士山や八ヶ岳、南アルプス の山々が優美な姿を見せる眺望は甲斐市を代表する景観となっています。
東京から約 100㎞という位置や中央自動車道と中部横断自動車道が接続する交通環境 は、東京圏・東海圏との移動時間の短縮や他の圏域とを結ぶ役割を担っています。
人口は、これまで増加してきましたが、今後出生率の低下による少子化の進行等によ り、減少に向かうと推計されています。人口構成は、県内でも若く、高齢化率も 20% 台前半と低めですが、20 歳前後の人口の流出が目立って多くなっています。
(2)合併の成果と課題
甲斐市は、平成 16 年(2004 年)9 月 1 日の合併後、第1次甲斐市総合計画に『緑 と活力あふれる生活快適都市』という将来像を掲げ、その実現を目指して、旧 3 町の融合・ 一体化を図りながらまちづくりを進めてきました。
この間、甲斐市では JR 竜王駅、塩崎駅の整備、双葉スマートインターチェンジ、玉 幡公園や島上条公園などの都市拠点・地域拠点の整備を促進してきました。また、保育 園の建て替え、小中学校の耐震化、次世代育成支援などの福祉・教育環境の整備充実に も取り組み、人口は微増傾向を保っています。
第1次甲斐市総合計画の検証において、市民アンケート結果でも、「安全で快適に暮
らせるまちづくり」が充実していると評価され、「公園整備の推進」「上水道等の整備」「緑
化の推進」「行政庁舎における窓口対応の充実」の施策の満足度が高いなど一定の成果 が認められています。しかし、「活気にあふれるまちづくり」の評価は低く、産業関連 や生活道路・公共交通関連の施策に対する満足度は低くなっており、総じて将来像の『緑 と活力あふれる生活快適都市』の実現はまだ成し得ていません。今後は、人口減少も予 想される中、活力をいかに創造していくかが課題となっています。
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(3)甲斐の由来
合併から 10 年、あらためて、「甲斐市」の名前について考えてみます。
合併前、皆様から公募し決定した市の名前「甲斐」は、古くから山梨の名称として使 われ、私たちの中に、郷土意識の原点として強く染み付いている文字であります。
この「甲斐」の由来については、諸説ありますが、山梨県立博物館の平川南館長が次 の様な説を唱えています。
古くこの地は、太平洋沿いの東海道と信濃を経由する東山道を繋ぐ交わり の役割を課せられていた。この地は山に閉ざされた山国ではなく、山国ゆえ
に外にむけていくつもの道が開かれ、外との「交 まじわひ」をひとつの原動力にし
てきた国だったと考えられる。そして、この「交かい」が、名称の由来として
ふさわしいのではないか。
大宝4年(704 年)、中央政府が国内 60 数か国に同じ形の「国印」を一
斉に作るとき、この「交かい」の音に当てられたのが「甲斐」の文字である。
「甲」は十じっ干かんじゅう十二に支しという干支の最初の文字であり、物事の一番という意味。 また「斐」という文字は、織物からきている文字で、美しく盛んな様をさし ており、この縁起がよく美しく良き文字が選ばれたのではないか。
(参考文献:平川南2007年「開かれた山国」『山梨の人と文化(山梨学講座)5』ふるさと文庫)